ADAMVS

緩やかな斜面から収穫される葡萄は胸を高鳴らせてくれる。卓越したワインは洗練された知識と腕によって可能になる。ADAMVSは私達の学びと経験を集大成したワイン。

ワイナリーのオーナーはAdams ご夫妻、デニース(Denise)とステファン(Stephen)。2008年にナパ・バレーのハウエル・マウンテン(Howell Moutain)にADAMVSを設立します。

ワイナリーの名前ADAMVSはラテン語で『borne from our red earth』という意味で直訳すと『赤い土地から生まれる』と訳せます。ワイナリーがあるハウエル・マウンテンは鉄分が多く含まれている火山灰土壌で赤褐色な土地が多いAVAです。それに加えてご夫婦の苗字がAdamsという事で名前とテロワールを関連づけ奥様のデニースがADAMVSと名付けました。

ADAMVSは彼らにとって初めて経営するワイナリーではありません。ステファンは1995年からワイン商人としても活動をしており、2004年にはフランスの右岸、Saint-ÉmilionにあるChâteau Fonplégade、2006年にはPomerolにあるChâteau L’Enclosを購入し運営しています。Adamsご夫婦は元々フランスと縁がありとても気に入っていました。結婚式はフランスのドルドーニュ(Dordogne)で挙げ、ハネムーンはボルドーのサン・テミリオン(Saint-Emilion )でした。その後も決まってバケーションはフランスへ行く事が多くワイン産地へも頻繁に足を運んでいました。

ステファンはミネソタ州出身。彼はイェール大学とスタンフォード大学の学歴の持ち主。広告出版会社Adams Publishing GroupとAdams Outdoorsを設立し経営していました。今現在は彼の息子さんが取締役としてその会社を継いでいます。

デニースはケント州立大学とコネチカット州立大学で勉学し、その後は数年美術を教えていました。ADAMVSとボルドーのワイナリーに関してはデニースが主に指揮を取り管理を行っています。

ADAMVSがある土地は1898年辺りから牧場として使われていました。Dude Ranch (ウエスタン式のバケーション)としても使われていた場所で夏になると東海岸などからバケーションで訪問者もあったようです。今現在Adamsご夫婦が所有する76エーカー(約93000坪)の土地には知る人ぞ知るWhite Cottage Ranch Wineryがありました。オーナーはDennis Johnsという方でナパ・バレーで長い間素晴らしいカベルネ・ソーヴィニョンのワインを作っていた方です。Adamsご夫婦はそのワイナリーを買い取り、サンフランシスコベースで活躍をしている建築家Kurt Melanderに頼み彼らがヴィジョンするワイナリーへとリノベーションされました。

標高は1400フィート(427メートル)から2000フィート(610メートル)に位置する場所にあるワイナリーで冬は寒く場合によっては粉雪がちらつくそうです。葡萄畑の広さは28エーカーでその中の25エーカーにはカベルネ・ソーヴィニョンの葡萄が植えられ、残りはメルロー、カベルネ・フランそして白葡萄のソーヴィニョン・ブランが植えられています。オーガニック栽培とバイオダイナミック農法(天体の作用を農作物の生育に生かす農法)を取り入れています。鶏、羊なども飼育し葡萄栽培に活かし、養蜂し蜂蜜も取っています。

2010年がADAMVSのファーストヴィンテージ。3種類ラインナップがあります。『TÉRES』、『QUINTVS』、『ADAMVS』。それぞれに特徴があり比べて味見をすると感動ある体験ができます。白ワインではソーヴィニョン・ブランを少しだけ作っています。2015年からユニークな発酵用の樽を取り入れているのもADAMVSの特徴。La Perleと名前がある卵の形をしたフレンチオークで作られた小さめの発酵用の樽で、ボルドーの樽のブランドTonnellerie Quintessence社とパートナシップを組んで作ったものです。

2018年までワインメーカーはフィリップ・メルカ(Philippe Melka)でした。彼はフランスのボルドー出身。ボルドー大学で地質学とワイン醸造を学びます。フランスでは1級シャトーのシャトー・オー・ブリオンや、右岸ではシャトー・ペトリュスでも経験を積み、向上心に溢れる彼はその後西オーストラリア、チリ、イタリアのキアンティを訪問し醸造に関して経験と知識を広げます。そして90年代に辿りついたのがナパ・バレー。ドミナスやリッジで勤めナパという土地柄を感じ、学び、今ではナパ・バレーで多くのクライアントを持つ引っ張りだこのワインメーカーです。メルカの後を引き継いだのはサラ・ダンナリー(Sarah Donley)。彼女はナパでも『カルト的存在』であるColgin Cellarsのアシスタント・ワンメーカーでした。オーストラリアではフルボディのワインを作るMollydookerで経験を積み、ナパに戻った後はAraujo Estateでインターンをします。それ以来Araujoファミリーとは今でも縁がありAdamsでの醸造と両立し関係を保っています。彼女の旦那様もワインメーカー。2人娘を持ちADAMVSワイナリーから車で10分程先の場所に住んでいます。

畑の管理はナパで40年以上の経験を持つMike Wolf。ナパで絶対に外せないBeckstoffer Vineyardsが所有する畑や、ナパオークションで最高額の落札額を過去に出したScarecrow、そしてBond が所有するVecinaの畑などの管理もしています。

ワイナリー名

ADAMVS

創立者

デニース・アダムス(Denise Adams)

ステファン・アダムス(Stephen Adams)

ワインメーカー

サラ・ダンナリー(Sarah Donley)

ワイン・コンサルタント

フィリップ・メルカ  (Philippe Melka)

葡萄栽培家

マイク・ウルフ(Mike Wolf)

葡萄栽培地域

ハウエル・マウンテン AVA(Howell Mountain AVA)

産地

ナパ・バレー(Napa Valley)

 

Among the great hillside Cabernet Sauvignons of the New World,
Howell Mountain is legendary. Located on these storied slopes,
ADAMVS is dedicated to crafting timeless mountain-grown
Cabernet Sauvignons, while honoring this renowned terroir.

Denise and Stephen Adams discovered the idyllic ADAMVS property in 2008. In its mosaic of five vineyard sites, iron-rich red soils, ideal elevation and diversity of vineyard exposures, they saw the perfect convergence of geology and geography. To realize the estate’s promise, and their goal of establishing a new benchmark for excellence on Howell Mountain, they gathered together a team that includes viticulturist Michael Wolf consulting winemaker Philippe Melka and winemaker Jason Valenti.